僕が彼女を作りたい理由

僕が彼女を作りたい理由は彼女と幸せそうにしている世のカップルが羨ましいからだ。一般的に恋人を作ることは「素晴らしいこと」「幸せなこと」とされており、実際そう感じる人がかなり多い気がする。彼女持ち、彼氏持ちに話を聞いてみても「いやそんなことないよ~実際結構大変なこと多いよ!!」とか言われるがやかましいので一遍黙ってほしい。恋人持ちのいう実際大変なことというのは恋人を一度作ってみなければわからないことで、アイドルとかのいう「実際いいことばかりじゃないですよ~苦労もありましたよ~」と同じなのである。そりゃあ苦労はあるだろう。だが羨ましいことに変わりはないし彼らが幸せであるという事実も変わりはしない。動機が不純だ、そんなことではいつまでたっても恋人が作れないといわれたこともあるが仕方がない。だってそうだろう?周りのみんながおいしい料理を食べているなか自分だけレストランにすら入れないのが今の私の状況だ。実際ドレスコードとか大変だし、一緒に行く人と話するのも気を使うから大変だよとか言われてもおいしい料理を食べている様子はめちゃくちゃ羨ましいしどうやったってお店に入れないままでは悔しくてたまらない。みんなが当然のような顔をしてお店を出入りしているのに自分だけはドアがどこにあるのかすらわからずあちこち右往左往するばかりである。極めつけは皆からのアドバイスや蔑みの言葉である。ことあるごとに「童貞」だの「彼女できたことないんだー」だの言われる側の身にもなってみろ。そもそも俺は勉強と部活を一生懸命にやってきたしおかげさまで自分より頭いい人間はそうそういないレベルにまで上り詰めた。部活では日本代表になるまでに強くなった。貴様らが学生の間恋愛にうつつを抜かしていたからその経験が生きて非童貞になっているだけであってそこに格差が生まれるのはおかしいだろう。学生時代頭が悪かった人たちは頭のいい人たちの「勉強は簡単だよー」というこころない一言に傷ついたことを思い出してほしい。それと同じだ。私は勉強などやれば誰だってできるようになると思うしMARCH程度なら私が1年家庭教師をすれば余裕で合格できると信じている。だが世間の人間に向かってバーカなどと言うことはない。貴様らが俺のことを童貞と呼ぶのは私が貴様らのことを偏差値で呼ぶのと同じなんだぞ。意味の分からない罵倒だ。よし、決めた。これから会う人間には偏差値をきちんと聞くようにしよう。そして「童貞」と言われたらその都度「偏差値47」などと言い返してやる。私は偏差値80以上なんだぞ。下手すりゃダブルスコアだダブルスコア。くそ。

いつのまにか世間への恨みつらみに文章がすり替わっていた。そう、恋人がいる状態が羨ましいのだ。何から手を付けていいかわからなかったのでひとまず今までの自分のどこが悪かったのか分析してみることにした。幸い私は女性に全く縁がないわけではなく、思いを寄せられることもそこそこの頻度であるらしい。問題はその想いを私が知るのはいつも女性側が冷めてしまった後、しかも人づてなのである。わかりやすくいうと私は人からの好意にどちゃくそ鈍感なのである。もうハーレム系主人公並みに鈍感なのである。これは困った。鈍感な理由はおそらく経験が全くなく、周りでカプルができるまでの過程を見る機会もなかったことだろう。中学の時私は丸坊主の生徒会長で成績一番のクソ真面目と認識されていた。友達はいたが皆バカをやって楽しむゲーマーや自動車マニアなど女性と縁があまりない人たちだった。高校は男子校だった。大学に入ってからは落語研究会にいたので恋愛などという浮いた話はなかった。落語研究会に集まる人たちは変人奇人ばかりで人間の浅ましさ愚かさ醜さをさらけ出し、すべてを笑いに変える人たちの集まりだったからだ。そんなところで恋愛などというイベントが起こるはずもなく、ディベート部という部内恋愛も存在する一般人のサークルに入った2年生のころにはもう手遅れになっていた。新しくカップルが成立する仮定やその色恋模様を観察する段階はとうに過ぎており、周りの人たちは当たり前のように恋愛が上手い。やっちまったな。環境のせいにするのはよくないと思ったがどう考えても環境も今の自分を形作る一部であるためこれは外せない。さて少し視点を変えて自分自身に目を向けてみるとあら不思議、今まで誰かを好きになった経験自体がものすごく少なかったのである。今まではそんなことよりも部活や勉強のほうが面白かったし、仲間内でわいわいやってる方がはるかに楽しかったからだ。困った。人からの好意に鈍感なのは自分が恋愛的な好意を持って誰かにアプローチした経験がなかったからなのだ。あちゃー。

結論:(´・ω・`)
どうしようか。コロナ禍の今、気軽に集団で会ったり対面で授業を行ったりすることができない。もともと少なかったチャンスがさらに少なくなってしまった。どうしようか。もういいやと諦めつつスマブラをする大学3年生。セミは元気に鳴いているが私の春はまだ先らしい。